top of page

​形而上学

パリを見守る2.jpg

カテゴリーについての学、

または存在論の基礎的問いを理由付ける学。

テクニカルな論理分析によって、

形而上学就中存在論は、

自然言語に依拠したカテゴリーと、

自己神話化の過程を、

実定諸科学に押しつけるような場所的論理

(トポロジー)に過ぎないといった、

マントラ(中身の無い呪文)が繰り返されてきた。

 

しかしながら、

技術的末節の知である諸分野に於いて知られる、

解釈学的循環(Hermeneutischer Zirkel)即ち、

個別の解法の明示が原理の証明であり、

また同時に、

原理への回帰が、

個別の問題解決への方途として有効である

という認識自体は、

形而上学に於ける解釈学(ヘルメノイティーク) 

そのものなのである。

確かに形而上学は、

ひとつの根拠である存在へと開かれる手段として、

言語を用いる。

 

この際、

存在論的差違(Ontological Difference)に至るのだが、

認識的価値、論理的価値、及び

意味論的価値の根本的な変化が記述される。

 

このような多層的且つ多面的な価値変容について、

自然言語は同様に、

リニアルな論理性を保ちながら、

知的な地位の保証をすることが出来ない。

 

故に、形而上学の可能性を、

捨て去ることもできないのである。

 

単に形而上学はプラトンだ、フィチーノだと笑っても、

何も変わらないのだ。

Copyright ©明鹿人丸 All Right Reserved.​

パリを見守る2.jpg
bottom of page